お問い合わせ | 製品の購入方法 | オンラインストア | パートナーポータル |

ATEN 独自技術の「Video DynaSync™」とは

Video DynaSync™ は、KVMの映像表示を安定させるATEN 独自の技術です。 PC起動時に起こりやすい画面表示のトラブルを抑え、コンピューターを切り替えた際も適切な解像度でスムーズに映像を表示します。

液晶ディスプレイの普及とともに、EDID(Extended Display Identification Data)を用いた解像度認識が広く定着しました。PCは起動時やケーブル接続時にモニター情報(EDID)を読み取り、対応解像度を確認して映像を表示します。この仕組みはVGAにとどまらず、DVI・HDMI・DisplayPortでも広く使われており、高解像度化が進む現在のディスプレイ運用を支える重要な技術となっています。
ATENのVideo DynaSync™を搭載したKVMスイッチは、高解像度環境や異なる解像度のPCが混在した環境でも安定した切り替え操作を実現します。少数のPCを扱うデスクトップ用途から、開発・設計・検証、多数の機器を扱うサーバー環境まで幅広く対応可能です。


Video DynaSync™は、操作側(コンソール)のモニターが持つEDID情報をKVM本体に保持することで、PCの起動中や切り替え時にも必要な表示情報を途切れなく受け渡す仕組みです。モニターが実際に接続されていない状態でも正確なEDID情報をPCに提供できるため、表示の乱れや解像度の意図しない変更を防ぎ、よりスムーズな操作環境を実現します。
また、現在はWindows・Mac・Linuxのいずれの環境でもEDIDを用いた映像表示は標準的であるため、OSが混在するシステムでも安定した運用に役立ちます。

ATEN CS18216は、Video DynaSync™ を搭載した16ポートのHDMI対応ラックマウント型KVMスイッチです。
HDMI映像出力とUSB 3.0による周辺機器接続に対応し、4K解像度での表示をサポートします。1セットのキーボード・マウス(コンソール)から最大16台のコンピューターを直接制御できるほか、同機種をカスケード(多段)接続することで最大256台(16台×16段)まで管理台数を拡張できます。

1.EDIDの仕組みと、よくある問題

EDIDとは、モニターの対応解像度や表示条件をまとめた情報です。この情報はモニター内のメモリに保存されており、PCは起動時などにディスプレイケーブルのDDC(Display Data Channel)と呼ばれる通信経路を通じて読み取ります。PCはその内容をもとに、モニターが対応できる映像信号を自動的に判断し出力します。この仕組みはVGA・DVI・HDMI・DisplayPortなど、現在の主要な映像インターフェースで広く使われています。1台のコンピューターと1台のモニターを直接接続する場合、通常は問題なく動作します。
しかし一般的なKVMスイッチを間に挟むと、この仕組みが正常に機能しないことがあります。KVMスイッチに接続された別のPCが使用中の場合、未選択のPCを起動してもモニターにアクセスできず、EDID情報を取得できないためです。この状態が起動時や切り替え時に発生すると、以下のようなトラブルにつながります。

PCがモニターの未接続と判断し、ホットプラグ検出(ケーブル接続の認識)を無効化する
モニターと互換性のない解像度を暫定的に選択し、その設定が固定されてしまう
その後PCを切り替えても、映像が正しく表示されない

ATEN CS1842 / CS1844は、Video DynaSync™を搭載したデュアルディスプレイ対応のKVMP™(KVM + USB切替機)スイッチです。
HDMI映像出力とUSB 3.0による周辺機器接続に対応し、4K解像度での表示をサポートします。CS1842は2ポート、CS1844は4ポートの構成で、用途や接続台数に応じて選択できます。グラフィック編集や開発など、2画面を活用するデスクトップ環境に適した製品です。

Video DynaSync™を搭載していないKVMスイッチでも、1台のモニターを複数のコンピューターで切り替えて使用できます。ただし、各コンピューターが起動時にモニターのEDIDを正しく取得できるかどうかは、KVMスイッチがモニター情報をどのように中継するかによって異なります。

こうしたKVMスイッチの多くは、接続中のモニターから取得した情報ではなく、KVM本体に内蔵する汎用的なEDID情報をコンピューターへ返します。この情報は必ずしも接続中のモニターに最適とは限らないため、起動はできても解像度が適切に設定されなかったり、コンピューターを切り替えた後に映像が正しく表示されなかったりすることがあります。また、正しい解像度に復帰するまでに時間がかかる場合もあります。

2. ATEN Video DynaSync™が切り替え時の映像問題を解決する仕組み

ATEN Video DynaSync™は、KVMスイッチに接続されたすべてのコンピューターに対して、常にEDID情報を提供できるようにする技術です。コンピューターとモニターが直接接続されていない状態でも、PCからの読み出し時にEDIDを受け渡します。

Video DynaSync™搭載KVMスイッチにはEDID専用のメモリが内蔵されており、以下のような流れで動作します。KVMスイッチの電源投入時にモニターが接続されていると、KVMスイッチは自動的にモニターのEDIDデータを読み取り、本体のメモリに保存します。保存されたEDIDはKVMスイッチに接続したすべてのPCから常時参照可能なため、どのコンピューターがモニターを使用中であっても、他のコンピューターも正確なモニター情報を即座に読み取ることができます。また、HDCPとの互換性も維持されるため、著作権保護されたコンテンツ再生にも対応します。

常に正確なEDID情報が利用可能なため、コンピューターを切り替えるたびに表示設定を再取得する必要がなく、解像度復帰のための再起動も不要です。なお、製品によってはモニターのEDIDを手動で再読み取りしてリフレッシュする機能を搭載しており、モニターを交換した場合でも、接続中のPCへ新しいEDID情報をすみやかに供給できます。


HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection):映像・音声コンテンツの著作権を保護するための伝送規格

3. 拡張デスクトップ環境におけるATEN Video DynaSync™

Video DynaSync™の効果は、シングルディスプレイ環境にとどまりません。複数のモニターを使った作業環境は、金融・CAD/CAM設計・監視室など、複数の情報を同時に扱う業務を中心に広く普及しており、生産性向上の手段として多くの現場で活用されています。

シングルディスプレイ用KVMスイッチを2台組み合わせて使用する場合、メインとサブをそれぞれ個別に切り替える操作が必要です。この際、2画面の拡張デスクトップとしての構成が崩れ、サブディスプレイのアイコンやウィンドウがメインディスプレイ側に集約されてしまうことがあります。その結果、切り替えのたびにウィンドウの位置やサイズを手動で整え直す必要が生じ、作業効率が損なわれます。

ATENのデュアルディスプレイ対応Video DynaSync™ 搭載KVMスイッチは、2台のディスプレイそれぞれのEDID情報を同時に保持することでこの問題に対応しています。コンピューターを切り替えても各ディスプレイの解像度と表示設定が維持されるため、拡張デスクトップの構成とウィンドウ配置がそのまま保たれます。切り替えのたびに作業環境を整え直す手間がなくなります。

4. ATEN Video DynaSync™がもたらすメリット

EDID信号を適切に管理できないKVMスイッチを使用している場合、日常的な操作のなかで以下のような表示上の問題が発生することがあります。

モニターの性能に合わない解像度で映像が出力される
コンピューターを起動するたびに、表示設定を手動で調整する必要がある
KVMスイッチが別のポートに切り替わった際にEDID情報が失われ、PC再起動が必要になる
切り替え時にHDCP認証が失敗し、著作権保護されたコンテンツが表示できなくなる

こうした問題は単なる不便さにとどまらず、PCを切り替える度に作業の中断や生産性の低下につながります。
ATEN Video DynaSync™は、接続されたすべてのコンピューターに対して常に正確なEDID情報を提供することで、切り替え時に手動操作や再起動を必要としない安定した操作環境を実現します。

ATEN CS1964 4ポート USB 3.0 4K DisplayPort トリプルディスプレイ KVMP™スイッチ Video DynaSync™を搭載したATEN CS1964は、DisplayPort接続によるトリプルディスプレイ環境に対応した4ポートKVMスイッチです。映像編集・金融トレーディング・エンジニアリング設計など、複数の画面を最大限に活用するデスクトップ環境に適した製品です。

5. 備考

ATEN Video DynaSync™は、モニターのEDID情報をKVMスイッチが保持し、PCへ提供する機能です。モニターとPCの物理的な接続を常時維持するディスプレイエミュレーション機能とは異なります。
そのため、ポートの切り替えはディスプレイケーブルの抜き差しと同等の動作として扱われます。全画面表示を行うプログラムなど、ケーブルの抜き差しを想定していないシステムが稼働している環境では、ポート切り替え時にシステムエラーが発生する場合があります。
PCとモニターの常時接続が必須となる重要システム環境でのご使用には、以下の製品をご検討ください。

CS1942ATC:シームレス切り替え機能(ディスプレイエミュレーションに相当)を搭載したKVMスイッチ
KH / KNシリーズ:コンピューターモジュール方式でKVMスイッチと接続する構成に対応
KE / KXシリーズ:マトリックス構成によるKVMシステムの構築に対応


また、接続するPCのハードウェア仕様・OS・ビデオカードドライバのバージョンによっては、以下のような動作制限が確認されています。これらはPC・OS・ドライバ側の仕様によるものであり、ATEN Video DynaSync™では対応できないため、該当する環境ではポート切り替え時に正常に動作しない場合があります。あらかじめご了承ください。

セットアップ時のモニター設定を固定する仕様:OSセットアップ時に接続していたモニターの情報を固定し、その後異なるモニターを接続しても新たに認識しない場合があります
ケーブル挿抜でのみEDIDを再読み取りする仕様:ポートの切り替えではEDIDの再読み取りが行われず、ケーブルの実際の抜き差しによるホットプラグ検出が発生した場合にのみ再読み取りができるケースのPCを確認しています。
起動時のEDIDを固定する仕様:PC起動時に取得したEDIDを固定し、その後ホットプラグで異なるモニターに交換しても再読み取りを行わない場合があります
モニター切り離し検出時に映像出力を停止するセキュリティ仕様:PCのセキュリティ設定により、一度でもモニターの切断が検出されると映像信号の出力を停止するセキュリティ機能が作動する場合があります
起動時の直接接続を条件としてEDID取得を行う仕様:PC起動時にモニターとの直接接続が確認された場合にのみEDIDを取得する仕様で、KVMスイッチを介した接続ではEDIDを取得しないケースを確認しています


Video DynaSync™ 機能を搭載しているKVMスイッチ製品については、こちらのリンクをご参照ください。
https://ru.aten.com/jp/ja/search/?q=ビデオダイナシンク

お問い合わせ

お客様へのご案内

  • 弊社のメルマガを「配信停止」に設定されている方は、自動返信メールが届かない場 合がございます。
  • @gmail等のフリーメールのアドレスでのお問い合わせは、自動返信のメールが届かな いことがありますが、その場合も、弊社宛にお問い合わせのメールは届いていることがほ とんどです。弊社営業日で24時間以内にはご連絡をさせていただきますので、お待ちくだ さい。
  • お問い合わせ送信後、弊社営業日で24時間以内に返信メールがない場合は、大変お手 数ですが、sales@atenjapan.jpにお問い合わ せください。

 ATENについて

1979年に設立されたATEN International Co.,Ltd. (TWSE:6277)は、KVMとAV/ITのコネクティビティーおよびマネージメントソリューションのリーディングカンパニーです。ATEN製品は、KVM・プロフェッショナルAV・SOHO・インテリジェント電源ソリューションを統合して提供し、企業・政府・教育・医療・製造・放送・メディア・交通環境におけるAV/IT機器の接続・管理・最適化を行います。ATENは650以上の国際特許を発行し、革新的なソリューションの絶え間ない流れを生み出し、世界中で利用可能な製品の包括的なポートフォリオを可能にするグローバルR&Dチームとなりました。

台湾に本社を置くATEN International Co.,Ltd.は、中国、日本、韓国、ベルギー、オーストラリア、米国、英国、トルコ、ポーランド、インド、ルーマニア、南アフリカ、メキシコ、およびインドネシアに、台湾、中国、中国のR&Dセンターを含めて拡大しています。